エクソソームに関連する研究開発のご紹介

エクソソームとは

エクソソームは細胞から分泌される直径50-150 nmの脂質二重層 の膜を持つ顆粒。細胞の内容物を保有しており、他の細胞へそれを伝えることが機能とされています。エクソソームの持っているものを調べることで、体内の細胞に起きている変化を知ることで診断に使えます。
例)✓癌 ✓アルツハイマー ✓その他神経変性疾患等の診断
また、エクソソームを用いたDDSによって、効率よく安全に物質を細胞内へのデリバリーができます。
*エクソソームDDSの利点
・ ウイルスを使わずとも効率良くデリバリー出来る
・膜の修飾によってターゲットを選択することができる。

【診断と予後判定】分野での研究開発

エクソソームにDNAを用いたガンの診断研究

エクソソームを利用したアルツハイマー病の診断研究

通常の脳脊髄液中のアルツハイマー病のマーカー測定では明確な判定ができません。

↓↓↓

唾液などの体液中から血液脳関門を通過したエクソソームからのアルツハイマー病のマーカーを測定することで、明確な診断が出来ます。
1. MSを使用せずに、エクソソーム内のタンパク質を10-15gレベルで測定する技術を開発しました。
2. エクソソーム内のガン幹細胞マーカーに関する特許を持っています。

【エクソソームDDS】分野での研究開発

エクソソームによるGFPタンパクの培養細胞へのデリバリー

エクソソームによるRFPタンパクのiPS細胞から作ったミニブレインへのデリバリー

エクソソームによるTom 40タンパクのデリバリーによる細胞の過酸化ストレスからの保護

エクソソームDDS現状の問題を克服!新技術開発

DNAを効率良くエクソソームに封入する技術は存在しませんでした。問題点を克服すべく・・・

現在使われてる、DNAをエクソソームに封入する方法。どれも効率が悪く手間がかかり、エクソソームにダメージを与えます。

細胞がエクソソームを生産する際に自動的にDNAを封入する技術を開発!

脳のガン治療を目的とした核酸医薬を開発する中で、ガン細胞から放出されるエクソソームには多くのDNAが含まれることに着目、ガンから放出されるエクソソームのDNAを解析し、一般の細胞に比べて特殊な塩基配列が含まれることを解明!
この特殊な塩基配列(EIS)を用いて、デリバリーをしたいDNAを、細胞がエクソソームを生成する際に自動で効率的に取り込ませるシステムの構築に成功!
従来のEISを含まない技術と比較してエクソソーム内の目的DNAが200-400%増加!

エクソソームによるGFP遺伝子カセットの間葉系幹細胞へのデリバリーによるGFPタンパクの発現

本技術を応用した「DNA_DDS」例

●エクソソームでタンパク質や抗体をコーディングする塩基配列をデリバリーすることで、ターゲット細胞内でより多く生成し、長時間作用させる。
●エクソソームでRNA干渉をコーディングする塩基配列をデリバリーすることでターゲット細胞内でのRNA干渉を行える。
●エクソソームでCRISPR/CAS9をコーディングする塩基配列をターゲット細胞内にデリバリーすることでゲノムの改変が行える。

細胞から動物のレベルでタンパクからゲノムまでの制御を行える、最先端のエクソソームを用いたDDS技術が可能に

実験試薬としてミニサークルDNA開発!(特許出願技術)

【4つのメリット!】
●通常のプラスミドDNAバックボーンを持たないため複製が行えない。
●プライマリー細胞で株化細胞と同様の高いトランスフェクション効率が得られるため、ウイルスの使用が必要ない。
●メチル化やサイレンシングなどの影響を受けないため,発現が長期間持続する。
●エクソソームの生産細胞株の作成が容易であるだけでなく、製品として販売がしやすい。

今まで存在しなかった技術を、販売の面でも優位な形で提供が可能!
実験試薬販売及びライセンシングについてお気軽にお問い合わせください。

エクソソームDNAを利用した核酸医薬分野で研究成果

エクソソームDDSを用いたCOVID-19標的治療

研究成果>
コロナウイルスで感染したヒト肺正常線維芽細胞にエクソソームを用いてコロナウイルスのゲノムを破壊する遺伝子治療を送り込むことで、その感染を細胞と細胞培養液から除去した。
開発目的>
DNAを積極的にエクソソームに取り込ませるベクターシステムを用いることで、ヒト間葉系幹細胞で目的のエージェントを内包するエクソソームを臨床応用に向けた形で生産できると考えられる。
【出願特許】
DELIVERY OF GENE EXPRESSION MODULATING AGENTS FOR THERAPY AGAINST CANCER AND VIRAL INFECTION
PCT/US2021/021674; filed March 10, 2021, Claims priority to USAN 62/987,483; filed 3/10/2020

エクソソームによる核酸医薬のデリバリー(新型コロナの治療)
特許: DELIVERY OF GENE EXPRESSION MODULATING AGENTS FOR THERAPY AGAINST CANCER AND VIRAL INFECTION
PCT/US2021/021674; filed March 10, 2021, Claims priority to USAN 62/987,483; filed 3/10/2020

正常線維芽細胞MRC-5 (ATCC® CCL-171™) を
Human coronavirus 229E (HCoV 229E VR-740)で感染。
As you see in the figure after exposing the MRC-5 cells to exosomes containing DNA targeting to inhibit HCoV 229E viral production was significantly reduced compared to the control.

Lane 1: Ladder
Lane 2: HCoV 229E infected MRC-5 transfected with DNA gene cassette alone, without exosomes
Lane 3: HCoV 229E infected MRC-5 treated with exosomes without DNA gene cassette
Lane 4: HCoV 229E infected MRC-5 treated with exosomes with DNA gene cassette

正常線維芽細胞MRC-5 (ATCC® CCL-171™) を Human coronavirus 229E (HCoV 229E VR-740)で感染させ、培養液中のウイルスをSプロテインのゲノムシークエンスをPCRによって検出。

エクソソームによる核酸医薬のデリバリー(膠芽腫の治療)

膠芽腫は薬剤耐性を持つガン幹細胞が存在するため、完治しない。
膠芽腫の患者から手術によって取り出したガン幹細胞を効果的に死滅させる処理について検討した。

関連する特許と文献

【特許】
・Delivery of gene expression modulating agents for therapy against cancer and viral infection PCT/US2021/021674; filed March 10, 2021, Claims priority to USAN 62/987,483; filed 3/10/2020
・A novel method to load the desired nucleic acid into exosomes as a nucleic acid drug DDS (JP Patent filed 3/14/2022)
・Exosomal NANOG DNA as a diagnostic cancer marker (US20200002771)

【文献】
・Sayeed N, Sugaya K. Exosome mediated Tom40 delivery protects against hydrogen
peroxide-induced oxidative stress by regulating mitochondrial function. PLoS One. 2022 Aug 11;17(8):e0272511. doi: 10.1371/journal.pone.0272511. PMID: 35951602; PMCID: PMC9371349.
・Vaidya M, Sugaya K. DNA Associated with Circulating Exosomes as a Biomarker for Glioma. Genes (Basel). 2020 Oct 29;11(11):1276. doi: 10.3390/genes11111276. PMID: 33137926; PMCID: PMC7692052.
・Vaidya M, Sugaya K. Methods for the Detection of Circulating Pseudogenes and Their Use as Cancer Biomarkers. Methods Mol Biol. 2021;2324:339-360. doi: 10.1007/978-1-0716-1503-4_21. PMID: 34165725.
・Valerio LSA, Sugaya K. Xeno- and transgene-free reprogramming of mesenchymal stem cells toward the cells expressing neural markers using exosome treatments. PLoS One. 2020 Oct 13;15(10):e0240469. doi: 10.1371/journal.pone.0240469. PMID: 33048978; PMCID: PMC7553345.
・Vaidya M, Sreerama S, Gaviria M, Sugaya K. Exposure to a Pathological Condition May Be Required for the Cells to Secrete Exosomes Containing mtDNA Aberration. J Nucleic Acids. 2022 Mar 17;2022:7960198. doi: 10.1155/2022/7960198. PMID: 35465178; PMCID: PMC9020996.
・Vaidya M, Smith J, Field M, Sugaya K. Analysis of regulatory sequences in exosomal DNA of NANOGP8. PLoS One. 2023 Jan 25;18(1):e0280959. doi: 10.1371/journal.pone.0280959. PMID: 36696426; PMCID: PMC9876286.
・Vaidya M, Sugaya K. Differential sequences and single nucleotide polymorphism of exosomal SOX2 DNA in cancer. PLoS One. 2020 Feb 24;15(2):e0229309. doi: 10.1371/journal.pone.0229309. PMID: 32092088; PMCID: PMC7039433
・Vaidya M, Bacchus M, Sugaya K. Differential sequences of exosomal NANOG DNA as a potential diagnostic cancer marker. PLoS One. 2018 May 22;13(5):e0197782. doi: 10.1371/journal.pone.0197782. PMID: 29787607; PMCID: PMC5963750.

当社ではクライアント様の意向に応じて、
各種技術に関する共同研究・共同開発・ライセンシングを行っております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。